近年の企業統治に大きな影響を与えているCGコードについて、総論を簡単に説明しまーす!
CGコードってなに??
最近新聞やビジネス誌などでよく見かけるコーポレートガバナンスコード(CGコード)とは何なのか。
ざっくり言ってしまえば、企業に義務付けられている 『企業の持続的成長と企業価値の向上を促すための仕組』です。
企業というのは国の経済発展のためにも成長をする必要があります。しかし近年の日本の経済成長や企業の価値の向上はイマイチ……そこで、企業に企業活動をにある種のルールを設け、企業が成長しようとするように仕向けようというわけです。
このルールがCGコードであり、これは東京証券取引所(東証)が定めており、上場企業はこの証券取引所のルールに従わなければいけないのです。
ここで勘違いしてはいけないのは、「ガバナンス」やら「統治」やらなにやら厳しいルールなのかなぁと思ってしまいがちですが、CGコードが目指すことはあくまでも企業の成長なのです 。
そして、この『コーポレート・ガバナンス・コード』では、大きく2つのキーワードのもと様々なことについてルールが定められています。
そのキーワードは、『適法性』と『効率性』です。
『適法性』は、いわば『守り』です。企業が企業の価値を向上し、社会に貢献するには、法律をきちんと守るとともに良識をもった行動をしなければなりません。大企業で不祥事が発生して企業の価値を大きく損なう。そんなコトが起こるのは防がないといけませんからね。そこで企業がきちんと法律などを守るような仕組みが定められています。
『効率性』は、いわば『攻め』です。企業が社会に対して価値を提供するには、もちろん効率的な経営がされる必要があります。その効率性を意識して経営の舵取り役である『取締役会』が経営を考えるうえでどのようなことを考えるべきか。どのように選ばれるべきかということを考えさせることとなっています。
【参考】<コーポレート・ガバナンス・コード(東証URL)> (2018年6月1日現在)
設立の経緯
日本の経済は最近イマイチぱっとしない。家計は苦しいという不満が多い世論。そんななかで、企業経営にテコ入れをしなければ…そんな思惑が政府にはありました。そこで政府が打ち出したのが「『日本再興戦略』改訂2014」です。家計を豊かにするには、多くの家庭がその収入を得るもとである日本企業が「稼ぐ力」を取り戻さないとね。ということになりました。
そこで企業に対して、経営を効率的に行い、生産性を高めることを目的とした制約を設けることにしました。それがこのCGコードです。
CGコードの構成 ~基本原則・原則・補充原則~
上記のような流れで定められたCGコード。そしてそのコードには、2018年6月1日現在で、
- 5つの基本原則
- 31の原則
- 42の補充原則
が定められています。以下の5つの基本原則に対して、原則と補充原則が紐づいています。
- 株主の権利
- ステークホルダーとの協働
- 情報開示
- 取締役会の責務
- 株主との対話
プリンシプルベース・アプローチ(原則主義)
CGコードを語るうえで外せないのが、この「プリンシプルベース・アプローチ(原則主義)」です。
これはあれこれと厳格に明確に1つ1つを定める「ルールベース・アプローチ(細則主義)」と対をなす考え方で、要するに抽象的な原則のみを示したうえで、どのように行動するかは当事者(企業)に任せられています。
つまり企業は各原則に対して、自分でその原則を解釈し、判断したうえで行動する必要があるということです。最近はやりの「ぼーっと生きてんじゃ…(以下略)」ってことですね!
そのため、あれこれとるべき行動を具体的に定められているわけではありません。そして、これが、CGコードがよくわかりづらいことの一因かもしれませんね。
コンプライ・オア・エクスプレイン
そしてCGコードを語るうえで外せないことのもう一つが、この「コンプライ・オア・エクスプレイン」です。
これは、ルールの順守をしなさい。ただし、しないのならば説明しなさい。ということです。
上述した通り、CGコードは企業の効率的な経営を目的の一つとして定められています。そこには当然ですが、ルールを守ることで逆に経営の効率性が損なわれるということが大いにあり得るということになります。そのようなCGコードの趣旨に反することにはならないように、CGコードではきちんとルールを守らない(守れない)場合でも、その理由を説明すれば、それでOKとするということになっています。
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