株主総会って何? ~簡単解説~

経営
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今回は株主総会について簡単に解説します。 本稿では、そもそも株主総会とは何なのか。どんなことをきめるのか。という基本について解説します。

皆さんの務める会社でもかならず行われている株主総会。多くの方は株主総会というものが何なのか詳細は知らずに、社内報で株主総会があったことを知ったり、お手伝いとして受付や案内として参加していたりするのではないでしょうか。

本稿を通じて株式会社の社員としてある程度は知っておくべきである株主総会について少しでもご理解いただければと思います。

それでは解説にいってみましょう!

株主総会ってなに?

株主総会とは、議決権を有するすべての株主によって構成される株式会社の意思決定機関です。

はい、毎度のこと固い表現から入りました。正確なことも大事。笑

これは簡単に言えば、株主(会社の所有者)さんが参加して会社の物事をきめる会議のようなものです。

普段は企業の経営というのは、会社の偉い人たち(取締役など)が行っています。しかし会社の所有者とは株主です。会社の偉い人たちでも従業員でもありません。

この普段は会社で働いていない株主が集まって会社の重要なことを決めましょう。株主総会はそんな会議なのです。株主総会は最低年に一回行わなければならず、これを定時株主総会といいます。

ちなみに会社の持ち主と経営者が異なることを所有と経営の分離といいます。

具体的にどんなことを決めているの?

それでは株主総会ではどのようなことを決めているのでしょうか。

結論から言うと、原則なんでも決められます。

株主総会というのは、会社の最上位の意思決定機関です。

部長会議よりも役員会議よりも上位の会議体で、すべてのことを決めることができます。

ただし、すべてのことを決められるからといって、年に一回の会議で何でもかんでも決めているようでは企業の経営は成り立ちません。そこで実際には、株主総会よりも下位の会議体(取締役会や役員会)によって多くのことは決められていますしそれが認められています。

しかし逆に何でもかんでも株主総会より下位の会議体で決めることができてしまえれば、株主(所有者)を無視して経営ができてしまうということになってしまうということです。

ということで、会社法では株主総会でしか決めてはいけないことということを定めています。

それが以下のような項目です。

  • 会社のあげた利益について
  • 経営者の人事について
  • 会社のルール(定款)について

以下ではこれらについて具体的のどのようなことを決めているのか。例を交えてもう少し詳しく解説します。

具体的な決議事項の例について

まず第一は、会社のあげた利益をどうするかについてです。

大前提として、企業は利益を上げることを目的とした組織です。そしてその企業の所有者である株主が求めることも当然利益です。そのため、会社の利益をどのようにするのかということはとても重要であり、株主総会で決めます。

株主には、会社があげた利益の分け前である配当を受け取る権利があります。これは、リスクを負って会社に出資をしているのですから当たり前のことというわけです。そして株主総会では配当をいくらにするのかを決めることになります。

第二に、経営者の人事についてです。

先ほど述べた通り、企業の所有者は株主です。しかし、株主が経営をしているわけではありません。そこで株主は実際に経営を行う人を選ぶのです。

実際に経営を行わないのならば、人に任せるというわけですね。普段から企業で務めている最高の意思決定者は取締役(会)です。株主総会では取締役を誰にするか決めることになります。

そのため、取締役にとっては株主総会は本当に一大イベントです。下手をすれば自分が職を失うなんてことも起こりえるわけですからね。これが年に一回やってくるわけです。

第三に、会社のルール(定款)についてです。

定款というのは会社のとても重要なことを定めたルールで、会社の憲法なんて言われ方もします。

この定款では、会社の名前はどうするのか。どんな目的(商売)の会社とするのか。どこに本拠地を置くのか。取締役会でなにを決めるのか。といったことが定められています。

そしてこの定款を変える場合は、株主総会で決める必要があるのです。

例えば、ある会社の定款で定めている会社の目的(事業領域)が不動産関連の商売だったとします。その会社が今までやったこともない介護事業に乗り出すぞ!なんてことをする場合、定款で定めている会社の目的(事業領域)は不動産の商売であって、介護の商売を会社の目的として定めてはいません。

そして会社の目的(事業領域)ではないことをしてはいけません。株主さんの中には、不動産の会社だから出資したのに介護の会社なら出資しなかったのに!っていう人もいるかもしれませんからね。つまりこの場合は、介護事業を始めるのには、定款に記してある会社の目的を変える必要があるわけです。

このように定款では企業の在り方について多くの重要なことが定められています。この重要なことを変えるにはそれ相応の改訂手続きが必要であり、その定款変更の手続きが株主総会というわけです。

まとめ

繰り返しになりますが、結局のところ株主総会は企業の最上位の意思決定機関です。

企業の方向性を決める会議であり、本当に重要なものです。 法務担当からするとホント株主総会って大変なんすよ。それこそ何か月もかけて準備をして臨むんです。ポンコツ社員は株主総会時期は真っ青です。笑

そんな株主総会についてすこしでも理解するのにお役に立ったならば幸いです。

参考

三菱商事株主総会(令和元年6月21日開催)→リンク

三菱商事定款HP→リンク

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