招集通知ってなに? ~簡単解説~

法務
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みなさま「招集通知」は届きましたか?またはご存知ですか?

ネット証券の台頭、税制優遇や将来の資産の形成へのニーズの増大など株式投資へのハードルが下がり、ここ数年で初めて株式を保有するようになった方も多いのではないでしょうか?

そんな株式投資を始めた方の多くの手元には、必ず年に一回この「招集通知」が届きます。

この招集通知とは何なのか?

本記事では、この「招集通知」について簡単に解説します。

招集通知(招集ご通知)とは

招集通知(招集ご通知)とは、文字通り、呼ぶ(招集)ためのお知らせ(通知)になります。

これが届いた方は、何かに呼ばれているということです。

何に呼ばれているかというと、「株主総会」に呼ばれています。
 ※株主総会とはなにかについては、本ブログのコチラを参照。

株主総会について、簡単に説明すると、企業は年に一回株主総会を開く義務があります。これを「定時株主総会」といいます。これは、1年間の会社の業績に関する説明であったり、今後のために決めたいことを決める会議になります。

招集通知」とは、この株主総会に株主の皆さんに「集まってー」と呼びかける書面になります。

株主さんは会社の持ち主です。そして、株主総会では株主が受け取ることになる会社の利益の取り分である「配当」の金額を決めたり、会社の舵取り役である「取締役」を決めるなどの経営上非常に重要な事項を決定する場ですので、その重要な会議に参加してもらえるように株主さんに呼びかけるわけですね。勝手に会社側で大事なこと決められても困っちゃいますしね。

そしてこの「招集通知」は、法律で株主に交付することが義務付けられています。

どんなことが法律で定められているか。それは記載しなければならないことを含め、いろいろとあるのですが、例えば株主の皆さんにかかわるのは、この「招集通知」の届く日です。一般的に多くの招集通知が6月の上旬に株主の手元に届きます。

なぜ6月上旬に届く招集通知が多いのか。それは、招集通知は株主総会の遅くとも2週間前までには株主に届けなければならないと義務づけられているからです。

まぁ株主総会を開催する1日前とかに招集通知が届いて、「ここで株主総会やるから来てね」なんて言われても、行けないですからね。

そして、株主総会は大抵の場合、事業年度末から3か月以内に開くのが通例であり、日本では多くの企業が事業年度末を3月末に設定→3か月以内で株主総会(6月末頃)→株主総会の2週間前
となり、多くの場合6月の上旬くらいに「招集通知」届くというわけですね

※12月末が事業年度末の場合は3月上旬に届きます

招集通知の構成

招集通知にはどのようなことが記載されているかというと、一般的に以下の4つのパートに分かれて記載されています。

①参考書類
②事業報告
③計算書類
④監査報告

の4パートになります。

①参考書類では、株主総会で決めること(「決議事項」といいます。)を判断するために参考となる情報を記載します。

例えば配当金に関する議案の賛否を決める場合、
そもそも配当金額はいくらなのか。去年の配当はいくらだったのか。そんなことを記載します。

その他、取締役を決める場合は、その取締役候補者の略歴や、他社などの重要な兼職の状況などを記載して、その候補者が取締役にふさわしいかを判断します。

②事業報告は、会社の一年間の事業の状態を報告するものです。
複数の事業を保有している企業であれば、その事業ごとの事業状況・展開の状況、どんな人たちが経営を担っていてどんなことをしているのかそんなことを記載するわけです。

③計算書類(連結計算書類)では、まさに決算として、会計数字の面で会社の状態を定量的に記載しています。
投資家として、投資している企業の業績はもちろん気になりますよね。それにここで赤字続きで経営者たる資格がないと判断されるなんてことも十分ありうる話ですからね。

そして④監査報告は、会計監査のプロフェッショナルたる公認会計士や監査法人が③について、相違がないことを証明してくれたり、監査役や監査等委員が、招集通知の記載について相違がないことを証明する書面がついています。

会社の持ち主たる株主に対する書類にテキトーなことは書けないということですね。

余談

余談ですが、ブログ主たる私ポンコツ社員ですが、勤め先では、この「招集通知」を主担当として作成しております。小規模法務のため、株主総会の準備のこのシーズンは繁忙期です。

この時期が一番ブログネタにすることがあるのに、ブログを書く余裕がない汗

そして、そのようななか、弊社の招集通知の作成が無事先日終了しました。あ~疲れた。
さらっとしか書いていないように見えるかもしれませんが、招集通知の記載というのは、法律で記載事項が厳格に定められていて、こういう状況ならこういうことを記載なければならないというのが事細かに決められているんです。しかも立派な法定書類ですから、万が一にでも誤りがあれば、修正を株主全員に伝えなければいけません。最悪の場合、株主総会が不成立になるなんてこともあり得ます。

本当にプレッシャーのかかる仕事なんです。株主の皆様、招集通知とは各企業の担当者が必至こいて作成している書類ですので、ぜひじっくりご覧になってくださいね。

ポンコツ社員、これからは想定問答の作成だったり、株主総会のシナリオ作成であったりと大忙しですが頑張ります!

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